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照明が煌々と照らされていても、前回と違い、女は激しかった。
セックスをしているあいだ、私はずっと考えていた。
この女の生活に何があったのだろう。
金には困ってなさそうだし、子供も三人いて、何不自由もなく生活していただろうに。
幸福ではなかったのだろうか。
いくつかの不満なんて誰だって多かれ少なかれ持っているのに。
性欲が満たされていないのは想像できるが、そこを一歩踏み出せば多大な代償が伴うのだ。
この女はそれをわかっていない。
わかっていて覚悟を決めているのか?
とてもそんなふうには見えない。だとしたらこの女は馬鹿だ。
性欲の代償がどれほど大きいかわかっていない。
わかったときは手遅れのときだ。
それを知ってしまった私は、すでに手遅れなのだ。
だから私は馬鹿じゃない。
私は馬鹿じゃなくて、この女は馬鹿だ。
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