代償

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 ホテルの部屋に入り、ソファに座って二言三言話した後、女と口を合わせ、服を脱がせた。     現れた下着は赤だった。  情熱の赤ではなく、悲哀の赤に見えた。  太めの体型との組み合わせがそう思わせたのかもしれない。  それからベッドに移り、事を済ませた。  女の声は演技とも思えるような声だったが、あとで考えたら演技ではないと思った。  例えて言えば、怪獣の鳴き声だった。  演技ならばあんな変わった声は出さないだろう。  その女とはそれっきりでメールもやめた。
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