小説家さんと指輪 後編

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「だって、さっきまでは余裕が無かったから」  その言葉に返事をしようとするが、一度撫でたそこを指でつままれて一瞬声が出なかった。 「ちょ、大河、さん」 「もっと話もしたかったけど、我慢できそうにないや」 「待っ、て」  そう言ったけれど彼は待ってなんてくれなくて、 つまんだそこをぐりぐりと捏ねられる。 「っ…ぁ、」  初めて同じことをされた時は少し痛みがあるだけでこんなんじゃなかったはずなのに、今は声が漏れるのを堪えられなかった。 「ここ、気持ちよくなるようにしたのは俺だからね」 「分かった…から、」  そう話している間もそこをいじられ続けてスムーズに話すことさえ出来ない。  ひりひりと、そこからの刺激を感じているともう片方の突起もつままれて両方を同時にいじられる。 「ん…ぅ、」  きもちいい。  再び声を漏らすとそこをつまんでいた指がそこを引っ張る。 「は、ぁ、」  痛い、痛いはずなのにそれが気持ちよくて、体が勝手にもっとしてほしいと言うように反ってしまう。 「フミさん、いつもより反応いいね」 「そんな、こと」 「欲求不満だった?」  大河さんがそう問いかけながら引っ張った状態のままのそこをぐ、と押しつぶすように刺激するからあ、と大きい声が漏れてしまう。 「も、人の体で、遊ばないで」 「だってフミさんかわいいから」  かわいくはない。そう返事をする前に引っ張られていたそこが彼の指からぷつん、と離れてその刺激に体が跳ねてしまう。 「俺も欲求不満だったのかな。いつもだったらもっと余裕あるんだけど」  体から力を抜き、胸への刺激の余韻を感じながら息を整えているとズボンのベルトを外されて下着と一緒に足から抜き取られる。 「大河さん、電気を」  自分のそこがもう熱を持ち始めていたのは気付いていた。だから明かりの下でそこを見られるのが恥ずかしくてそうお願いするけれど彼はそれを聞くことなく自分のベルトを外す。 「大河さん?」 「ごめんフミさん。今日はフミさんの姿、ちゃんと目に焼き付けたいから」  その声と一緒にゴソゴソと鞄を漁る音が聞こえて視線を足下のほうに向けると、彼が目当てのものを取り出したところだったらしくその手にはローションのボトルとスマホが握られていた。
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