小説家さんと指輪 後編

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「それ、俺以外に言っちゃダメ」  問いかけに返ってきたのは答えじゃなくて。それが聞こえた直後にそこから指が引き抜かれる。 「っ、」  指が抜けて、その代わりにあてられたものは思っていた以上に熱を持っていてぞく、と背筋が震える。 「今日、加減できないかも」  それはいつものことじゃないか。そう思いつつ力を抜くために息を吐くが、後ろの孔への圧迫感はしっかりと感じてしまう。 「っん、ぁ…ぅ、」  そこに当てられていた熱がどんどん奥へと進んで、疼いていたそこへと近づく。  早く、そこに欲しい。 「ぁ、」  刺激を与えられるのを怖いとも思うのに、期待のほうが上回ってぎゅうと彼のものを締め付けてしまう。 「はっ…あ、」  力が入った状態のままぐ、と中を押し広げられて声を漏らすと彼の手が私の足から離れて手首のあたりを撫でられる。 「フミさん、自分で足持ってて」  そう言われて自分の両足を自分で支えるとそれまで私の足を支えていた彼の手は腰に移動し、そこを掴んだままぐ、と腰を押しつけてくる。 「ぁ、」  圧迫感を感じると同時に後ろに入っていた熱が一気に奥まで進み、疼いていたそこをぐり、と押す。 「んっ、ぅ」  彼と体を重ねるたびにしていることだ。それなのに、慣れることはなくていつも通りその快楽に体が反応してしまう。 「っ…あ、ん、」  どう、しよう。  やっぱりいい。  彼にされるまではバイブで刺激を与えるか擦らないと感じないのだと思っていたのに、彼にはそこを押されるだけで快楽を感じてしまうことに気付いてしまった。 「んっ…ぅ、あ、」  ぞくぞくと背中が震えを感じながら視線を上に向けると前髪が垂れ下がって目元が見える彼としっかり目が合ってしまう。  大河さんも、ちゃんと感じてるんだ。  そう感じた瞬間、その顔がすっと近付いてきてそこを圧迫した状態のまま唇を重ねられる。 image=512674300.jpg
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