小説家さんと指輪 後編

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「っ、ん、」  喘ぎ声をあげていたのに口を閉じていた訳が無く、口付けをされてすぐに舌の表面を撫でられてそうしようとしている訳では無いのにまた後ろをぎゅうと締め付けてしまう。 「ふ…ん、ぁ…は、ぅ」  繋がったまま舌を絡められ、その両方からの快楽で体にぞくぞくと甘い痺れが広がる。  あまりの気持ちよさに録音されているのだということを忘れそうになって、咥内に彼の唾液が流れ込んでくるのを感じながらあぁ、声抑えないといけないんだっけ。と思う。  けれど、そう思って抑えられるなら最初から情けない声なんて出していない訳で。結局、そう思っただけで口からは声が漏れ続けてしまう。 「フミさん」  流れ込んできた唾液を飲み込むと彼の唇が離れ、普段とは違って熱っぽい声で名前を呼ばれる。 「そんな、ぎゅってされたら、先にイっちゃうから」 「先に、どうぞ」 「それは、ダサイ、から」  そう言いながら彼は腰を掴む手に力を入れると奥まで入っていたそれをず、と引き抜いて再び奥まで押し込む。 「っは、…ん、」  感じるところを押しつぶそうとするかのように勢いよく突かれて腰がびくんと跳ね、背中がぞくぞくと震える。 「そこ、ダメ、」  その刺激の余韻が消える前に再びそこを擦られて膝がガクガクと震える。  すごい、きもちいい。 「あ…んぁ、あ…ん、ぅ」  ごりごりと、そこを何度も刺激されて自然と背中が弓なりに反ってしまう。 「は、んぅ…あ、ん、」  押し寄せ続ける快楽に頭が働かなくなってくる。  自分が今、はしたない声をあげていることは分かっているのにそれを止めることができない。 「ぁ、だめ、こん…な、」  絶頂が近いことが彼にも伝わっているのか体の揺れが激しさを増して、口からは勝手に彼を煽るような言葉が出てしまう。 「フミさん、先、イって」 「っあ…ぁ」  体が熱くなった状態でまた奥をぎゅうと圧迫されて張りつめた糸がぷつんと切れるように足の間からとろとろと液が漏れ出てくる。
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