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でも違った。僕がキーホルダーを持って出かけたように、二階への階段を見つけたように。
それは、運命だったのさ。
僕は床に散らばった本の一冊に目が止まった。それは本ではなく、大学ノートだった。昭和◯◯年◯月~と表紙に書いてある。キーホルダーのライトをつける。中を見ると日記のようだ。
古びてかさかさになったそれの最後のページには、こう綴られていた。
父さんがいない間を狙われた。母さんが殺された。俺はこの村の奴らを許さない。一生、許さない。許さない、許さないー。
繰り返し書かれるその言葉。ノートの最後は血のようなものが滲んでいた。
僕は、ピンと来た。このノートは、噂のuとやらの日記だろうと。この日記を書いた後、uも殺されたのだろう。そう思ったのだ。
日記の表紙の名前を見るまではー。
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