度胸試しへ

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 そんな思いにたどり着き、待っているのがバカらしくなって来た。帰ろうと足を踏み出した時。  ぱきっ。  後ろから、音がした。  ぱきっ、ぱきっ。  小枝を踏んだ時のような音がしている。  後ろーつまりは、境内の中から。  俺は金縛りにでもあったかのように、身動きが取れなくなってしまった。息苦しささえ感じる。気のせいか、線香のような、煙の匂いもする。  うしろに、だれかいる。 「ねぇ」 「うわぁぁぁぁっ」  大声をあげた上、鳥居の前の段差から踏み外し倒れてしまった。ちびりそうだ。  声の主は、おかしそうに言った。 「ごめんごめん、そんなに驚くとは思わなくてー、僕だよ」    その声はー振り向き、暗闇に目を凝らすと、ゆうちゃんが立っていた。 「ゆうちゃん、どうしてここに」  ゆうちゃんは肩をすくめる。 「心配だったから、来ちゃった」 「そ、そう」 「うん。あの二人のことだから、肝試し以外にも君に危害を加えるとも限らないし。でもそんなの杞憂だったみたい」  ゆうちゃんは右手首を顔に向ける。腕時計とやらをしているようだ。 「0時15分ー、君が来る前から待っていたけど、あいつら来ない気みたいだね」 「そうみたいだなぁ、俺もそうがと思ってたんだぁ」     
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