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体調不良
目を覚ますと、彼女が傍に居た。
熱に犯され思考停止した脳が、辛うじて彼女の存在を認識する。
寝ていて意識が無い間に僕の部屋に彼女が居るという事実に、普通にビビった。
起き上がり何か言葉を発しようとして、熱のせいか体が全く動かない事に愕然とした。
「あら、起きたの?無理に起きようとしないで寝てなさい」
年末年始の無理が祟ったのか体調を崩し、僕は今日学校を休んでいた。
「気分はどう?」
心配そうな声色で、彼女は僕に話しかけてきた。
寝たままの僕はぎこちなく笑って首を振った。
「そう・・・まだ熱があるわね」
彼女は僕の額に手を当て、熱を測った。
ひんやりとした彼女の掌が心地好い。
「んー・・・水分を取った方がいいわね、少し体を起こせる?」
僕はモゾモゾと体を動かし、上半身を起こそうと試みる。
思うように体が動かない事に、もどかしさを感じた。
「無理しないで、ゆっくりでいいから」
見かねた彼女は僕の体を支え、起き上がるのを手伝ってくれた。
何とか起き上がると、彼女はペットボトルを差し出してきた。
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