始業式

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 「ではこれで今日のカリキュラムは無事終了、みんなお疲れ様。明日からは普通に授業が始まるから忘れずに教科書をもってくるように。あと、今日渡した配布物は忘れずに親御さんに渡すように。それでは号令」 起立、礼の挨拶を終え始業式の日程は終了した。最初はどうなることかと思っていたけどいざ終わってみるとどことない充実感に満たされていた。緊張はしたけどおもいのほかリラックスして話すことができたし、新任の先生ってことで親御さんの反応も比較的穏やかだった気がする。 無論、本格的に学校が始まってきたらどうなるかわからないがとりあえずスタートラインは無事踏み出すことができた。 教室にはすでに友達と連絡先を交換していたり、さっそく遊びに行く約束をしているものなど様々だ。こんな何気ない光景が今となっては懐かしい。自分もかつてはこの教室で学び、青春を仲間とともに過ごした。全てがきれいな思い出とは言わないが、今となっては何もかもが懐かしく色あせて見える。ここは同じ場所であり、違う場所である。時代や景色というよりも、自分自身が一番変わったということなんだろう。  「センセー、さよなら~」     
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