始業式

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 「はい、さようなら。気を付けて帰れよ」 さて、この後は職員室にもどって明日の授業の準備をして帰るだけ。 「あ、しまった… 鬼頭先生に飲みに誘われてるんだった。」 鬼頭先生。よく言う熱血教師というやつで、とにかく熱い。あの人がいるとうちの学校の平均気温が2℃は上がるといわれるぐらい熱い(というかうっとおしい)。体育教師だけあって体育の授業や文化祭のイベントはとても積極的。周りの先生から若干距離を置かれているような気もするが、文化祭の面倒な仕事も生徒のためと惜しまず参加してくれるため同じくらい好かれてもいるようだ。 そんな人だからか俺に対しても歓迎会ということで今日飲みに誘ってくれているんだろう。こういうタイプは嫌いではないが、プライベートにもずけずけ入り込んでくるので付き合い方は気を付けてないといけない。今回は初めての飲みの席だし断ると心象を悪くしかねないのでやむなく参加。 (まああっちの奢りってことでとっておきのおススメの店に連れてってくれるみたいだし、ちょっと楽しみでもあるんだけど。) 「先生」 先生と呼ばれた先に立っていたのは制服を着たうちの生徒だった。 「すいません、少し質問があったので声をかけたんですが…考え事してましたか?」     
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