始業式

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一瞬気をとられて反応が遅れてしまい、咳払いをする。規則上、申請を早めることはできないと伝えると彼女は少し不服そうだったがそのまま教室を出て行った。 もしかすると彼女はバイトが決まってきたのかもしれない。本当なら事情をきいて対処してあげたいところだけど、この学校は何かと規則に厳しい面がある。元進学高だった名残もあるが、いまの校長戦は何かと体裁にこだわるところがあり、学業優先で考えることが多いらしい。なので、アルバイト自体あまり良しとはしていない。しかし、学費を払うのが難しい生徒のため許可はしているが、基本的には土日のみとなっている。 彼女には悪いがアルバイト申請はそれまで待っていてもらうしかない。それよりも今はスマホにポップアップされている赤鬼に返信をしないとまずい。「今行きます」と連絡をし、教室を後にした。
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