第2章 本気

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昼休みになり……極力……図書館の職員ルームから出らずに過ごす。家から持ってきた弁当を食べつつ……なんだか食欲が失せ……最後まで食べずに蓋を閉めた。 俺はなぜかいつも男から 言い寄られることが多かった。 ……背が低いから…かな この…背の低さが憎たらしくなる。 俺には………彼女だっているし 男にモテるなんて屈辱意外何物でもなかった。 ペットボトルのお茶をゴクリと飲み…… だんだん………尿意を催してきて……… 極力出たくないのにッ……… 俺は周りを伺いながら アイツがいないか……細心の注意を払い お手洗いに向かった。 誰にも会いたくないがため…個室の方に入る。 はぁ………情けない。 あんな年下野郎を警戒するなんて 俺が意識しすぎてるのか………? とにかく………早く忘れて 仕事もまだいろいろと覚えなきゃいけない事もあるし 気持ちを切り替えよう………。 ガチャリ とトイレのドアを開けた瞬間 目の前に………アイツがいた 俺は目を見開き…身体がビクッとなる。 『ッ………!』 俺は開けたトイレのドアを急いで押し返して締めようとしたけど………アイツの方が一歩早くて 狭いトイレの個室に追い詰められた。 ………もう逃げられない 恐怖で身体が震えるのを抑えて 俺はなんとか年上の余裕を見せ……平常心を装う。 ヤツは………静かに俺を見下ろして見つめてくる………。
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