第2章 本気

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沈黙に耐えきれずに俺から……口を開いた。 『あの……僕、あなたに何かしましたか?』 必死に冷静を装い……目を見て真剣に問いかける。 『………一貴』 『え………?』 『名前。……俺の』 ………名前なんて別に知りたくもないのに それから俺の手を握りながら…… 『昨日は怖がらせて……本当にごめん』 一貴の切なそうな表情を見て 一瞬……俺の心臓がドキッとなる……。 ドキッ……て何だよ 俺はパッとうつむき戸惑いを隠しながら 『ッ……次……は警察に相談します………。もう……話すのもこれで最後にしてくださいね』 では、と狭いトイレの個室ドアを開けようと手を伸ばしたが……一貴に阻止され、後ろから今までになく……優しく抱きしめられた。 『ッ………あの、だからッ……さっき俺が言った意味わかっ』 『一目惚れ……なんだ。あんたの事』 ………え、一目惚れ………? 俺はカチンときて後ろを振り向きながら叫んだ。 『お、となをッ………バカにする、のもッ………』 『大きな声を出すと……聞こえちゃうよ?』 クスッと微笑みながら俺の耳をカリッとかじった。 『…んッ…やめ、ろッ………よ』 そのまま……一貴は俺を後ろから抱き締めたまま………蓋の閉まった便座に座った。 ………こいつッ……も、絶対被害届けッ…出す と心に誓ったが……… 一貴の手がスッとカーディガンの中に入ってきて ………ワイシャツの上から俺の乳頭をキュッと摘まんだ。 『あぁッ…』 ッ………女みたいな声が出て思わず手で口を塞ぐ 後ろで一貴が笑ったのが聞こえた。
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