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沈黙に耐えきれずに俺から……口を開いた。
『あの……僕、あなたに何かしましたか?』
必死に冷静を装い……目を見て真剣に問いかける。
『………一貴』
『え………?』
『名前。……俺の』
………名前なんて別に知りたくもないのに
それから俺の手を握りながら……
『昨日は怖がらせて……本当にごめん』
一貴の切なそうな表情を見て
一瞬……俺の心臓がドキッとなる……。
ドキッ……て何だよ
俺はパッとうつむき戸惑いを隠しながら
『ッ……次……は警察に相談します………。もう……話すのもこれで最後にしてくださいね』
では、と狭いトイレの個室ドアを開けようと手を伸ばしたが……一貴に阻止され、後ろから今までになく……優しく抱きしめられた。
『ッ………あの、だからッ……さっき俺が言った意味わかっ』
『一目惚れ……なんだ。あんたの事』
………え、一目惚れ………?
俺はカチンときて後ろを振り向きながら叫んだ。
『お、となをッ………バカにする、のもッ………』
『大きな声を出すと……聞こえちゃうよ?』
クスッと微笑みながら俺の耳をカリッとかじった。
『…んッ…やめ、ろッ………よ』
そのまま……一貴は俺を後ろから抱き締めたまま………蓋の閉まった便座に座った。
………こいつッ……も、絶対被害届けッ…出す
と心に誓ったが………
一貴の手がスッとカーディガンの中に入ってきて
………ワイシャツの上から俺の乳頭をキュッと摘まんだ。
『あぁッ…』
ッ………女みたいな声が出て思わず手で口を塞ぐ
後ろで一貴が笑ったのが聞こえた。
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