第1章 太陽。

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窓ガラス越しに照りつける太陽の光で、義行は目を覚ました。 照りつける太陽のせいで扇風機がかかっているにも関わらず、部屋の中は蒸し暑かった。 眠い目を擦りながら義行はエアコンの電源を入れた。 『ヨシユキーっ、早く起きなさいっ』 聞きなれた女の声が義行の部屋まで響いていた。 『もう起きてるよ!!』 義行は部屋のドアを開けて返事をした。 聞きなれた声、普通なら朝寝坊した子供を起こすのは母親と、相場は決まっているが、義行を起こしたのは母親ではなく、ましてや祖母でもなかった。 『相馬さん、今日朝飯要らないからっ』 すると。 『あんたっ、最近朝ごはん食べないで学校行く癖ついてるわよ!!』 それを聞いた義行は少しバツが悪くなり、 『じゃあ味噌汁だけ飲んでいくよ』 洗面所で顔を洗い、制服のYシャツに袖を通しながら返事をした。 『早く準備して出掛けないと遅刻するわよ!!』 義行は鏡で髪の毛をセットしながら、 『わかってるよ』 返事をした。 急いで味噌汁を飲み干して、 『じゃあ行ってくんね』 と玄関のドアを勢いよく開けた。 外に出ると照りつける太陽が一段と眩しく義行は思わず片目をつむった。
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