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「でも、舞衣が凪のいるアメリカに行くという事は、仕事も日本での生活も、全部捨てていかなきゃならない。
今まで働いてお金をもらっていた舞衣にとって、何もかも凪に甘えてしまうことに躊躇しているってことかな?」
ジャスティンはそう分析して、舞衣を優しく見た。
「何だか怖いんです……
今まで普通がいいと思って生きてきました。
色んな夢を見る事はあったけど、こんなに映画に出てきそうな夢以上の夢が自分の目の前にやって来て、怖くて尻込みしているのは確かなんです」
ジャスティンは困ったように微笑んだ。
「ねえ、舞衣……
凪を信じてあげてよ…
あいつがこんな風になるなんて、俺達からしたら信じられない事なんだぞ。
真剣に舞衣の事を想ってるから、舞衣にアメリカに来いって言ってるんだ。
あの人間不信で血も涙もないような奴がそんな事を言うなんて、舞衣、俺は、神様よりも信じていいと思う。
それに、お金の事なんて気にする方がバカだよ。
舞衣を養うための金額って、あいつにとってはあってないようなもんだからな。
それより、あいつを信じてあげて…
きっと結婚まで考えてるって……」
舞衣は小さく頷いて、またポロポロ泣いた。
「な、凪さんが、舞衣に、自分の心臓を差し出すって言ってくれました…」
「心臓??
何だよ、それ? 怖くない?
でも、凪らしいか…」
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