何でもない世界は本当は美しい世界

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ジャスティンはティッシュをたくさん取り出し、舞衣に渡した。 「あとは、舞衣が凪と結婚したいかどうかだな… 舞衣は、結婚する気はあるの?」 舞衣は何も考える事はなかった。 「結婚っていう形で死ぬまで凪さんと一緒に居れるなら、私、凪さんとずっと一緒にいたいです…」 ジャスティンは舞衣にウィンクしてパチンと指を鳴らした。 「もう、舞衣の中で答えは出てるじゃん。 今まで健気に我慢をしてきた舞衣に、神様は凪を与えてくれた。 好きなだけ死ぬほど甘えなさいってね。 そして、それは、凪にとって最高の喜びなんだから」 舞衣は自分の単純さに苦笑いが出るほど、自分の中の固い殻が割れたのが分かった。 「ジャスティンさん、どうしよう…?」 「今度は何??」 「今からでも、ニューヨークに行きたくなってきちゃった…」 ジャスティンは大げさに肩をすくめて、舞衣のほっぺを撫でた。 「凪の元へ行くには、まだまだやることがたくさんあるだろ? まずはソフィアとちゃんと話をしなきゃ」 舞衣は天を仰いでしまった。 「あ~、ソフィアからは絶対に嫌われます… 社内恋愛にあまりいい顔していなかったし、私、ブサイク好きって公言しちゃったし」 ジャスティンは大きな声で笑った。 「明日、俺はソフィアとネットで電話する用事があるから、その後に、ちゃんと舞衣の口から伝えるんだぞ。 ノロノロしてたらあっという間に一週間が立って、あの気の短い凪様のことだから、もう前日にはシャッターを下ろしてるかも。 そうならないように、急がなきゃ」
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