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翌日、舞衣は緊張の面持ちで会社へ出てきた。
ソフィアにどう話せばいいのか、その事を考え過ぎて昨夜はまた一睡もできなかった。
ジャスティンの話では、午前中にソフィアと話すと言っていた。
世界を駆け回っている忙しいソフィアは、今日は上海にいるそうだ。
今朝、トオルから資料作りを頼まれていた舞衣は、サロンにある大きなテーブルで作業をしていた。
「舞衣、今から大丈夫?」
ジャスティンにそう声をかけられ、舞衣は残りわずかの資料を慌てて作り上げた。
「社長室で話すから、後で来て」
舞衣は「はい」と大きな声で返事をすると急いでトオルの元へ資料を届け、その足で社長室へ向かった。
社長室には入らず入口のドアの前で待っていると、ジャスティンとソフィアの英語での会話が聞こえてくる。
二人は楽しそうに笑いながら何かを話していた。
あ~、私の時も、機嫌のいいソフィアでありますように……
「舞衣、きて」
ジャスティンに呼ばれて社長室に入ると、そこには大きな液晶画面が置いてあり、すぐそこにソフィアがいるようだった。
「じゃ、俺は行くね。
ソフィア、お手柔らかにお願いします」
ジャスティンは泣きそうな舞衣に微笑んでウィンクをすると、その場から去って行った。
「じゃ、本題に入りましょうか?
舞衣、私への報告は何?」
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