何でもない世界は本当は美しい世界

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舞衣はホッとしたのか、まだ涙が止まらない。 「でも、私、社長がせっかく選んでくださったのに、この会社を辞めようと思ってるんです…」 「そうでしょうね…… そんな事気にしてるんだったら、それは全然大丈夫よ。 あなたはまだ試用期間だし、この期間は、あなた自身が働けるかどうかを見極める期間だから。 それは何も心配しなくてもいい」 舞衣はもう嗚咽状態になっていた。 「それよりも舞衣、私の方からお礼を言わせて… あの凪がこんな事になったなんて、本当に信じられないの。 頭脳明晰、飛びぬけたコンピューターに対するセンス、他を寄せ付けない仕事ぶり、彼は本当の意味で天才だと思う。 凪のおかげで、この会社もかなりの高い位置まで評判を上げることができた。 でもね、有り余るお金と地位と名声を手に入れても、凪は何も変わらない。 いつも冷めてて、口数も数なくて、本当に笑ったことがあるのかなって、実は心配してたの。 さっき、ジャスからちょっとだけ二人の話を聞いて、もう心が今でも飛び跳ねてる。 本当に嬉しい…… 凪に愛する気持ちと愛される喜びを教えてくれて、本当に感謝してます…」 ソフィアの目も潤んでいた。 凪は色々な意味で皆から愛されている。
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