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モヤモヤはするが、このほっかほかなミートオムレツを目の前にした俺に考える余地などなくなってしまった。
「うま…」
「高嶋くんって本当に美味しそうに食べるよね」
「……そうか?」
美味しくてつい顔が緩んでしまっていたのか宗方に指摘され、顔をキリッとさせてみる。こういう油断が後々に大きく影響するのだろう。
「あっ、おい…凪、勝手に食うな」
「うまい」
「なんて眼福」
凪がミートオムレツを掬ったスプーンを咥えて横取りしてきた。言えば少しくらいあげるのになんて強欲なやつなんだ。
「キャーーー今の見た?」
「みたみた!星乃様と高嶋様ってそういう関係…?」
「確か部屋も一緒って聞いたよ!」
前まで入るたび静かだった食堂もいつの間にかガヤガヤと賑わうようになっていた。槙田は性格悪いけど可愛い系だし、凪も親衛隊がつくほど美少年。周りが騒がないわけがない。
とくに今日は日本の爽やかイケメン代表ともいえる山本もいて、扉を開けた瞬間歓声が凄かった。
「山本くん、もしやそれって高嶋くんお手製の…?」
「そ!毎日作ってもらってんだ。食堂の飯より美味いぞ」
「…俺は毎日部屋で食べてるけど。」
「牽制し合ってる…のかな!?」
俺を挟んで座っている山本と凪が何やら不穏な空気になっていたが、今の俺にミートオムレツに勝るものなどない。ミートオムレツこそが正義だ。
* * *
凪
またまたにゃにさんが描いてくださいました!
凪くんもぐもぐ可愛いねえ!!
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