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「星乃くんは絶対入ってるよね」
「……やだ。面倒くさい」
ネズミ講のように広がっていった凪の親衛隊たちが凪に投票を入れれば10位にはいるのも頷ける。運動神経も良く、リレーの選抜にも選ばれたのだから鼻を高くして出場すれば良いものを。
「確実に生徒会はランクインしてるし、山本くんも親衛隊いるから可能性は高いよね!」
ということは一ノ瀬もこの競技に出るということで、高得点を狙えてしまうということか。それは一ノ瀬と点数で勝負すると身としてかなり痛い。
「僕的には高嶋くんも入ってて欲しいなあ」
「高得点が狙えるなら…」
「お、高嶋くんは意外と熱が入ってるんだね!確か去年はにゃんにゃん合戦っていって……」
「ぜっっってぇにやりたくない」
なんだそのネーミングセンスは。中身がどんなものだったとしても絶対参加拒否したい種目だ。
「お前ら席つけー」
チャイムが鳴ると同時に教室に入ってきた矢野が俺を見るなりニヤリと笑った。あれは何か企んでいるか、面白いことを見つけたような顔だ。どちらにしても生徒に向ける表情ではないのは確かだ。
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