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「これを俺に食べさせるために呼んだのか?」
「まぁそれだけじゃないんだけど、この前のお茶会ですごく食べたそうにしてたから」
さっきの赤面を見た時から望月と視線が合わなくなったことに気付く。今は髪の先を弄ってクッキーを見つめているし、急にしおらしくなってどうしたのだろう。
「…まぁ甘いものは嫌いじゃない」
「素直じゃないね」
そう言いながら別のクッキーを取って望月の表情を窺うと、やっぱり俺の方を見ない。会話するとどうも鼻につく奴だし、一枚上手だったのに今はどうだろう。何やらソワソワとしていて別人のようだ。
「なぁ、」
「なに?」
やっぱりだ。
疑念が確信に変わった。目が合わないのではなくて、望月が俺を見ないようにしてる。
「何でこっち見ねーんだよ」
「え………?そう?気のせいじゃない?」
別に望月がこっちを見ないのは全然ウェルカムなのだが、どうも腑に落ちない。
「あ、そうだ…えっと、本題に移ろうか」
「……別にいいけど」
望月は話題を変えるように自分の鞄に入っていた資料を取り出して、顔を隠すように持った。
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