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望月は途中から真っ赤な顔したり、難しい表情をしたり、ケラケラ笑ったり様子がおかしかったが、どれもこれも空腹のせいだろう。猫にあげるはずだった煮干しも意外と食べていたからそのまま置いてきた。
結局、望月が俺を呼び出した理由は親衛隊についてのことだった。俺がランキング7位になったことで、今まで親衛隊を作るのを躊躇していた俺のファン(?)だと言う子が動き始めたらしい。俺にそんな子がいたことが驚きだ。
親衛隊は本人の許可がないと設立できないらしく、今回はそれを確認したかったようなのだ。
望月の話によると親衛隊を作るにあたって、メリットとデメリットがでてくる。親衛隊になればある程度統率して自分の味方につけることができるが、月に一度親衛隊と親睦を深める日を設けなければいけないらしい。
しかし認可されないと親衛隊と称したファンクラブが生徒の間だけでできてしまう。統率がとれていない者たちは俺に対してだけでなく、俺と一緒にいる友だちにまで被害を及ばせる場合があるらしい。この前の凪の事件が良い例だろう。
「親衛隊、か……」
慕ってくれることは嬉しいが、今以上に注目を浴びてしまうと偽不良もいよいよボロが出てしまう気がしてならない。だけど、宗方や凪に迷惑もかけたくないし、あんな目にはもう二度とあって欲しくない。
「良い人たちだといいな」
(親衛隊になりたい人たちはきっと俺のこの不良の姿に憧れを抱いているんだろうな、、。)
親衛隊を結成することを許可した俺は、その人たちが良い人だということを願って青い空を見上げた。
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