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『さあまたもや2年生のランキング上位者です!!どんな素敵な姿を見せてくれるのか楽しみですね!!よーーーーい、ドン!!』
考えても考えても結局救済の術を見つけられなかった俺はその合図で一心不乱に駆け出した。
(もうこの際、自分の運をアテにするしかない!!)
ここで負けてしまえばまた一ノ瀬のいうことを一つ聞かなければならない。そんなのに比べたら、コスプレの一つや二つ…!それに、男物が当たればいいんだ!!
─ シャッ
そう思いながらカーテンを勢いよく開けた俺は中を見て、ゆっくりカーテンを閉じた。そしてもう一回開いてみる。しかし中の衣装はさっきのものと変わっていない。
『高嶋選手どうしたあぁあ!?戦意喪失か!?』
「うそ…だよな……」
少し涙声になってしまうのも致し方ない。だって目の前にある衣装がフリッフリのエプロンがついた可愛らしいメイド服なのだから。(しかも猫耳付きときた)
『さぁ、ボックスに入ったら制限時間は5分だよ〜!』
「…っ、もう仕方ない!!」
こうなったらもう腹を括るしかない。俺はボックスの中に入って急いで着方もよくわからないメイド服に着替えたが、ゾッとするほど似合わない。そう思いたい。
言われていた通り赤いボタンをペシッと押すと、生徒が1人中へと入ってきた。
「やっほぅ、高嶋くん。思っていた以上に可愛いね」
「へぁ……?りょ、寮長っ」
中に入ってきたのはメイク道具とカツラを持った寮長だった。知り合いということもあってホッとしたのと、もしかしたら助けてもらえるかもしれないという淡い期待で目にじわじわ涙が浮かぶ。
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