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「高嶋様!!」
3人組は僕には目もくれず、高嶋くんのところへ一目散に駆け寄ってきた。高嶋くんの親衛隊か?とも思ったが、高嶋くんの反応を見る限りそうではないらしい。
「僕たちは副会長である望月様の親衛隊員です!突然ですがお願いがあって………一緒に来ていただけませんか?」
唐突な申し出に高嶋くんは困惑している様子だった。当たり前の反応だ。突然知らない生徒に話しかけられてついて来いと言われても、何が起こるかわからない先に行こうとは思わない。良い噂を聞かない副会長の親衛隊となれば尚更だ。
「そちらのご友人様と一緒でも良いので、とにかく望月様に会っていただけませんか?」
「えっと…」
「行きましょう!!!」
渋っている高嶋くんの返事も聞かずに僕は満面の笑みで親指を立てて答えた。すると親衛隊員たちは抱きしめ合うようにして喜んでいて、何がそんなに彼らを突き動かすのだろうかととても興味が湧いた。
「……宗方、なんだか嬉しそうだな」
有無を言わさない僕の独断に高嶋くんは引きつった笑みを見せたが、僕は新しい萌えの予感がしてウキウキが止まらない。
総受けは本の中だけの話だと思っていたけど、高嶋くんは本当に良い仕事をしてくれる。腐男子としては誰かとハッピーエンドになってほしいけど、友人としては高嶋くんが幸せならどういう結果になろうと良いと思っている。
「でも、宗方が元気になって良かった。」
高嶋くんは僕の顔を覗き込むと、表情を緩めてふにゃりと笑った。上目遣いするの可愛すぎるし、心配された事が嬉しくて思わずキュンとしてしまった。…不覚だ。
「…へへ、ありがとう。」
僕はほかほかとあったかい気持ちで高嶋くんと一緒に副会長の元へ向かうのであった。
宗方 倫太郎side end…
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