5509人が本棚に入れています
本棚に追加
俺はすぐにスマホを取り出して宗方に電話をかけた。しかし宗方が電話に出てくれることはなく、スピーカーからは電子的な声が流れてくるだけだった。
「電話でない…っ」
「先輩、落ち着いて。先輩はその三好先輩の連絡先知ってる?」
俺が動揺を見せると槙田は俺の腕にそっと触れて俺の瞳を真っ直ぐ見上げた。いつになく冷静で、それでいて俺を安心させるように優しく聞いてくれる槙田のおかげで少しずつ落ち着いてくる。
「うん。し、知ってる…」
「じゃあ宗方先輩を呼び出したのが本当なのか確かめてみて。」
「わかった」
槙田に言われた通り三好先輩に電話をかけてみると、3コール目で電話に出てくれた。
「あっ!三好先輩!!」
『どうしたの?そんなに慌てて』
「あのっ、そこに宗方はいますか!?」
『宗方?なんで?今日は委員会ないし、……何かあった?』
その言葉で確信した。あれは絶対に制裁の呼び出しだ。今頃どんな仕打ちを受けているのだろうと考えるといてもたってもいられない。
「……宗方が誰かに制裁を受けているかもしれません」
『えっ!?どういうこと?宗方は今どこなの?』
「俺にもわかりません…でも絶対に見つけます!!」
『僕も…僕も一緒に探す!見つけたら連絡を取り合おう』
心強い味方がついてくれたところで、電話はすぐに切れた。いつも落ち着いている三好先輩も明らかに動揺していた。
「やっぱり三好先輩は宗方と一緒にいなかった。すぐに探そう」
俺たち3人も手分けして宗方を探すことにした。
(どうか無事でいてくれ……!!)
最初のコメントを投稿しよう!