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「っざけんなッッ!!!!」
その後はもう理性なんてぶっ飛んでしまって、自分ではよく覚えていない。
宗方に乗っかっていた生徒を直ぐに引き剥がし、俺がその生徒に馬乗りになり青ざめた顔に向かって拳を何度も振り下ろす。
「た、高嶋くんっ!!やめて…っ」
宗方が俺の腕を引っ張って止めてくれるのも無視して怒りをぶつける。
「ひっ…ぃ………」
もう1人の生徒が逃げようとするのを見て、俺はすぐさま立ち上がってその生徒に近づく。すると俺の形相を見た生徒は目の前で腰を抜かしてガクガクと震え始めた。しかしそんなことは気にせずしゃがんで前髪をガッと掴んで無理やり顔を上げさせる。鼻先が触れそうになる程顔を近づけ、俺は口を開いた。
「俺がお前を犯してやろうか?」
「はっ……ぇ……」
「お前がやめてって言っても痛いって言っても絶対やめねぇし、その嫌がる顔もカメラで残して一生トラウマにしてやる。…お前がしたのはそういうことだ!!!」
自分より背の高い男2人に無理やり犯されそうになった宗方の心境を思いながら、胸の中の怒りを叫んだ。だけどそんなことをしても全然スッキリしなくて、怒りを通り越して泣きそうになった。
大事な人を傷付けられて、泣かせられて、こいつらも同じ目にあえばいいのにって俺の醜い部分が顔を出して優しい自分ではいられなくなる。宗方がそれを望まないことはわかっているのに、そんなの許せなくて。
─ ダダダダダッ
遠くから大勢が走ってくる音が聞こえてきて、その瞬間宗方が俺の腕を思い切り引っ張った。
「風紀委員です!!!…って、これは……?」
風紀委員が入ってきた時には俺は宗方の腕の中にいて、生徒2人は床に伸びていた。
「すみません。お騒がせしてしまって。いま僕がそこの2人に襲われてしまい…高嶋くんが助けてくれました。」
「見たところ大事に至らなかったみたいですが、怖かったですよね…。お話だけ聞かせていただけますか?」
宗方は襲われた後だというのに受け答えもしっかりで凛としていた。でも俺は風紀委員を目の前に顔を上げることも出来なかった。
「はい。でも少しだけ時間をくれますか?高嶋くんと2人きりで話したくて…」
「わかりました。風紀室で待ってます。」
そうして風紀委員は倒れた生徒を担いで教室を出ていき、宗方と俺の2人きりになった。
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