夏輝くんの夏休み

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寮に着いた俺は早速寮長に外出届をもらうために寮長室に向かうことにした。 「ちょっと俺、寮長のとこ行かないと」 「「「え?」」」 寮長というワードを出すと3人は俺の顔を見て石のように固まった。 「もしかしてセンパイ……」 「寮長とそういう関係なの!?」 「そういう関係?」 槙田は獣を見るような目で俺を見て、宗方は興味津々で詰め寄ってきた。そういう関係という言葉にピンと来なくて首を傾げると、凪が口を開いた。 「セフレかってこと」 「セフ………セッ…!?」 「センパイ知らないの?セフレはセック……んぐ」 「いや、知ってるけど!!!知ってるけど違うから!!!!」 全く予想だにしていなかったワードが出てきて、俺は一瞬思考停止した。まさかそんな関係だと思われるなんて思っていなくて困惑しているところで、槙田が正式名称を言おうとして咄嗟に手を伸ばし口を抑え込んだ。 「じゃあ寮長に何の用?」 「外出届をもらいに行くだけだから!」 「ふぅん?」 疑いの目と期待の目が俺を見つめてきて、退きたくなる気持ちをグッと堪えて口を開いた。 「みんな誤解してる!確かに前まではそういうことにダラしなかったかもしれないけど、寮長は優しくて良い人だと俺は思う」 「何でそんな庇うの?」 「庇ってるわけじゃない。ただ、良い人が勘違いされてるのが嫌なだけだから……」 こういう印象を植え付けてしまったのは寮長の自業自得だと思うが、自分の知っている人がそんな風に見られてしまうのは良い気持ちがしない。 「うんうん、そうだよね!好きな人ができると、一途になるもんね!!萌の塊だね!!」 「ア……ウン。ソウカモネ。」 宗方はこの場を和ませるために助け舟を出してくれているのか、ただ純粋に空気を壊しているだけなのか、どっちなのだろう。
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