青春とは、汗と涙とパンケーキだ

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「今度の大会、応援に来てほしい」 奏太に真剣な顔をして言われたのが一昨日の出来事。 実家から寮へ帰ってきて久しぶりにみんなで食卓を囲んだ後、みんながゲームで楽しんでる時のことだった。俺は後片付けの食器洗いをしていて、奏太は手伝ってくれていた。奏太はよく気付いてくれるし面倒なことも嫌な顔せずやってくれて、良い夫になりそうだなと密かに思ったりした。 泡を洗い流した皿を渡すと改まったような感じで言われて、「そんな顔で言わなくても、行くのに」とちょっと笑いながら二つ返事でOKした。 「決勝で勝ったら、ご褒美ちょうだい」 「ご褒美……?」 「うん。俺、そのためだったらめちゃくちゃ頑張れる」 「別に……いい、けど…」 「よっしゃ、楽しみにしてる!」 ◇ ◇ ◇ そんな約束を交わしてしまった手前、下手なものをご褒美に渡すわけにもいかないし、奏太はかなり楽しみにしている様子でかなり悩んでいる。 「ていうかご褒美ってなんだ……?」 「キス」 「はっ!?」 独り言に返事をされて驚いていたら、三角巾にマスクをしてブラシとスポンジを手に持つ凪が隣にいた。 「なに、掃除がんばったご褒美くれるんじゃなかった?」 「ち、ちっちち…ちっがあぁう!!なんで俺が凪にキスするんだよ!」 「ちぇ……」 「そこはホッとしろよ。掃除ありがとう」 無表情ながらにちょっと不機嫌になった凪の頭を撫でてやると少しだけ表情が和らいだ気がした。 「まぁでも普通に考えればご褒美は甘いものとかじゃない?」 「あぁ…甘いものか」 たしかに俺が頑張った時にご褒美で何が欲しいと聞かれたら、それが嬉しかったりする。しかし奏太はどうだろうか。いつも甘いものを持っていると俺にくれるから、好きなのかわからない。 「うーん……」 考えてみたものの他に良い案が思いつくわけもなく、結局甘いものを作ることに決めた。
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