青春とは、汗と涙とパンケーキだ

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─ ストンッ ガトーショコラを口いっぱいに頬張っていると、千鶴先輩が俺の肩に頭を預けてきて、驚いて俺の背筋はピンッと伸びた。 「千鶴先ぱ」 「ちょっとだけ。だめかな?」 視線を千鶴先輩に向けると眉を下げ上目遣いで聞かれて、俺は黙って首を横に振った。その顔はズルすぎる。 千鶴先輩がドキドキしてるのが触れているところを通して伝わってくる。熱が、鼓動が、仕草が。全てが俺を好きだと言っているみたいで恥ずかしくて、俺の心臓も少しずつ鼓動が速くなっていく。 これじゃあ完全に千鶴先輩のペースに乗せられてしまっている。なんとかこの状態から脱却しなければと考えるのに頭が働かなくて、体も硬直状態だ。 「あ…そういえば宗方が千鶴先輩にお礼言ってました。あの時気付いてくれたの千鶴先輩だってわかってたみたいで…」 「うん」 「……奏太、タルト喜ぶかな〜。甘いもの苦手じゃなきゃ良いんですけど」 「高嶋くん。」 「えっ、はい」 千鶴先輩は俺の話を遮るようにして起き上がり、俺の瞳を見つめてきた。さっきまでおちゃらけていた千鶴先輩じゃなくて真剣な表情だから余計にギャップにやられそうになる。 「俺と2人の時は他の男のこと考えないで」 こっちは今千鶴先輩のことで頭いっぱいだから話を逸らそうとしているのに、本当にこの人はズルい。 「〜〜っ、わかりましたから!あんまりそういうドキドキすることしないでください!」 「え……?ドキドキした?俺に?本当?」 やばい。墓穴を掘ってしまった……なんて顔が青ざめていく俺に対して、千鶴先輩の顔はパァッと明るくなっていく。 「ふふふ」 自分の膝に肘を置いて頬杖をついて満面の笑みで俺の顔を見つめてくる千鶴先輩は本当に嬉しそうで。俺はこの笑顔に当分敵いそうにない。
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