青春とは、汗と涙とパンケーキだ

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「また美味しいものでも食べに行こうね」 「ぜひ!今日は結弦くんに相談できて良かった。結弦くんも何かあったら俺を頼ってね。」 「……うん。」 そんな会話を交わした後、俺は結弦くんの部屋を出た。 結弦くんと話せたことで少し気持ちが楽になった気がする。何かが解決したわけでもないけど、やっぱり悩みを誰かに話して共有できるだけでモヤモヤが晴れる。 けれどそんな俺の気持ちとは裏腹に結弦くんの表情は曇っていった…気がする。笑顔がぎこちなくて、時々言葉に詰まったり、なんだか違和感を感じた。かと言って結弦くんが何かを隠そうとしているのに詮索する様な真似はできなかった。 「ただいまー」 「…おかえり」 自分の部屋に帰ってくると、クーラーが効いた部屋の中、凪がソファで毛布にくるまりながら携帯ゲームをしていた。 「寒い」 「そりゃこんな…わっ、18℃じゃん。消す?」 「……こっち」 凪は体を起こして首を横に振ると、ここに座れと言わんばかりにソファをペチペチ叩いた。促されるまま凪の隣に座ると、いつもの如くズシッと俺に体重を預けてくる。隣にチラリと視線を送ってみるが、携帯の画面に夢中で気づく様子はない。 「臭い。」 「えっ…ぁ、外行ってたから汗かいたのかな」 凪が眉間に皺を寄せ呟いた言葉に内心ショックを受けつつ、自分の体をクンクンと嗅いでみる。しかし今日は外出こそしたものの、移動は車だったし屋内にいたから殆ど汗はかいていない筈だ。 「なんか香水っぽい匂い。」 「あーそれ多分結弦くんのだな」 誰だそれ?とでも言いたげな冷たい視線を送ってきたかと思えば、俺の肩に頭をグリグリと擦り付けてくる。 「ちょっ、なに……うわっ!?」 抵抗しようと凪の方に体を向けると、胸にグリグリ砲が炸裂してそのまま押し倒されてしまった。 「……おやすみ。」 「は?え?…ちょ、凪ってば」 凪は俺の体を抱き枕代わりにすると瞳を閉じて寝息を立て始めた。体を揺さぶってもビクともしなくて、あまりに美しすぎる寝顔を見て溜息を一つする。 (まぁ、少しくらい寝ても良いか。) 無理に起こすこともできない俺は仕方なく目蓋を閉じて、温もりを求めて凪の背中に手を回した。 ……──そうして、俺の夏休みは幕を閉じたのであった。
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