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「んっぅ、…ふ、」
口内で逃げ惑っていた舌を捕まえて絡めると、腕の中にいるセンパイの体がビクンッと揺れる。態とらしくピチャと水音を立ててみたり、歯列をなぞってセンパイの中を味わうとセンパイは声を漏らし、わかりやすく反応する。
息の仕方さえままならないセンパイは僕の服にしがみ付くように訴えかけてきた。涙目でそんなことしたって煽ってるようにしか見えなくて、ゾクゾクと支配欲が満たされていく。
2人の唾液がセンパイの口の端を伝っていくのも気にせず、さらに奥深くを求めた。
センパイの抵抗する力が弱くなってきて閉じていた瞳をゆっくり開ける。すると蕩けた目をしているセンパイが目に映って、名残惜しさを感じながら唇を離した。
「っと…がっつきすぎた。」
手を離すとセンパイはグタッと座り込んでしまい、しばらくすると怒りからかプルプル震え出した。
「センパイ、これがオオカミさんってことだよ」
「お、まえ…っ、先輩をからかう、な…」
可愛い僕を侮るからだと忠告してあげると、センパイは唇をゴシゴシ拭いながら僕を真っ直ぐ睨み、敵意を向けてきた。突然こんなエッチなキスされたら怒るのも当然だけど、僕を煽ってきたのはセンパイの方なのに。
「僕は好きでもない奴にこんなことしないけど」
「は?でもお前は」
恐らく一ノ瀬先輩のことをまだ好きだと思っているんだろう。それは仕方ないとして、今の言葉で大体察して欲しいものだと、小さく溜息を吐いた。
「ここまで言っても意味、わからない?」
「なっ…おま、もう信じないぞ!」
「まだ僕の本気が伝わってないならまた続けようか?」
続けようと手を伸ばすと、センパイは尋常じゃない速さで後退りをして壁にぺったりくっついた。
「僕から告白なんてしてやんない。センパイから好きって言わせるから。」
挑発するような笑みを見せると、センパイは顔を痙攣らせ複雑な表情を見せた。
(ほんと、ばかわいいんだから。)
槙田 悠里side end…
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