ヤクザ教師は隠したい

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「新さんは面白いかも知れないけどっ、俺はそういうこと言われるとなんか変に意識しちゃうから、やめてください!」 「だからするんだろう?」 「……へ?」 それは意識欲しいと言われているようで、頭の中が混乱する。 新さんには好きな人がいて、それが誰だかわからないけど、俺に意識して欲しくてあんなことを……?また揶揄ってるだけ?それにしては真面目な顔をしているような……。 どんなに頭の中を整理しようとしても、決定的なことが分からなくて結局堂々巡りだ。 「そろそろ戻ろうか。」 「……あ、あの」 屋上のドアへ向かっていく新さんの後ろ姿を見つめて、口を開く。 「ん?」 「いや…何でもありま、せん。」 振り返った新さんの顔を見ると何も聞けなくなって、言葉を飲み込んだ。新さんに追いつくように駆け寄って肩を並べる。 手に持っているサイダーはまだ残っていて、少し傾けてみると炭酸がシュワシュワ弾けた。果たして俺はこれを飲み干すことができるのだろうか。 ◇ ◇ ◇ 「ただいまー」 「おかえり」 部屋に帰ってきた俺はリビングにいる凪に声をかける。凪は俺の方までてくてく歩いてきて流れるようにほっぺにチュッとキスをしてきた。 「ちょっ!だから、やめてって!」 「いってきますとただいまとおやすみは欠かせない。されるの嫌だったら俺にしてくれる?」 「むり!」 「でしょ。お風呂入ってくる」 「ちょ、凪!凪ってば!……も〜マイペースなんだから。」 凪はキスがマイブームなのか知らないけど、最近何かとスキンシップをとってくる。クールキャラだと思ってた凪の本性がこんな甘えん坊だったなんて。これがギャップ萌えというやつなんだろうか。 不思議と嫌悪感がないからあんまり強く言えない俺も悪い。これに慣れてしまったらいよいよまずい気がする。 どうにか身を守る方法を考えなければと思う俺なのであった。
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