偽不良くんは諦めない

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だが、性格までもを変えられると思ったら大間違いだ。俺は喧嘩なんかしたいとは思わないし、ただ虐められないようにみんなが俺を強いと思ってもらっていればそれでいい。だから不良っぽい行いだってするし、授業だって寝たりサボったりするが裏では必死こいて勉強している。 そう。言うなれば″偽不良″と言うのが正しいだろう。今の自分は嫌いではないし、むしろ中学の頃に比べたら好きだ。しかし毎日演技をするのは結構疲れたりする。この鋭いと言われる目つきだって必死に周りを睨み続けて手に入れた。毎日目を酷使しているのは間違いない。 「あと2年……あと2年だ…」 1年の時は運良くバレずに済んだが、2年になったら生徒や教師など環境が変わってこの先どうなるかわからない。 枕を抱き寄せてうんうん唸っているうちに眠りに落ちてしまった。 「んん…」 気づけばお昼過ぎになっていて、学校も既に終わっているだろう。またサボりたくもないのにサボってしまったことに落ち込むが、腹が減って何を食べようか考えているうちに綺麗さっぱり忘れることに成功した。 冷蔵庫から食材を取り出して、手際よく作業をこなしていく。見た目に反して俺は結構料理好きだったりする。母親が死んでから男手一つで育ってきたせいか小さい頃から料理を自然とするようになっていた。 「…よし。できた。」 完成したオムライスは料理人顔負けだな、と自画自賛しながら自分の胃袋を満たす。料理が上手なのは自慢だったりするが、振る舞う相手がいないのがなんといっても虚しすぎる。 この学校に友達がほぼいない俺は特にすることもなく、2年生初日を終えるのであった。
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