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琉菜は思いのままにぺらぺらと語ってから、我に帰った。
「すいません、答えになってませんね」琉菜は苦笑いした。しかし、坂本は満足そうに微笑んでいた。
「そんなことないきに。琉菜ちゃんは未来が好きなんじゃろう?」
「はい」琉菜はきっぱりと答えた。
幕末も大好き。でも、未来も大好き。
どっちにもいることができてるあたしは、とっても幸せ者だよね。
「それで十分じゃ。わしらのやったことは間違いじゃなかったんかの?」
「それは、誰にもわからないと思います。百五十年経っても、どっちが正しいか、もしも幕府が続いていたら、どうなっているかわかりません」
琉菜は坂本の少し曇った顔を見て慌てて次の言葉をつけ加えた。
「でも、立場が違っても、この時代の人たちは日本のために命をかけたヒーローとして、人気があります。新選組も、薩長も。だからその、安心してください」
琉菜も自分で何を言っているのかよくわからなかったが、坂本が笑顔を見せたので、笑い返した。
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