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四人は、心底驚いたように互いを見た。
「お前ら何やってるんだ!?」土方が第一声を放った。
「加勢に来たんですよ」沖田は朗らかに言った。
「琉菜!総司を見張っとけって言っただろ!」土方はまさしく鬼の形相で琉菜を叱った。
「すみません……沖田さん、熱が下がりましたので。体調に異変が起きたら、すぐに連れて帰ります。局長や土方さんも、どうしてここに」
「加勢だ。決まってんだろ」土方がフンと鼻を鳴らした。
「トシ、しょうがないから総司も、行くぞ。琉菜さんは、物陰に隠れていてください。何かあれば、屯所へ走って助っ人を」
近藤に言われ、土方と沖田は嬉しそうに頷いた。
琉菜も「わかりました」と言って十字路の中心に飛び込んでいく三人を見送った。
沖田さんのあんな顔、久しぶりに見た。生き生きとして、エネルギーに満ちていて。
沖田さんを「壬生狼の一員」としか思っていない人が見たら、「あんなに嬉しそうに人を斬りに行くなんて、やっぱり人間じゃない」とか言うのかな。
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