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嫌な音がした。琉菜はこの音を知っている。刀で人を斬った時の音だ。
ダメーッ!!
琉菜は叫びたかったが声がでなかった。
藤堂はドサリとくずれ落ちた。
「沖田先生、大丈夫ですか?」先程の三浦が、刀に藤堂の血を滴らせながら、力なく微笑んだ。
沖田は青ざめた。
琉菜は悲鳴を上げそうになるのを、なんとか口を手で塞いで抑えた。
「藤堂さん!!」
「平助!!」
やだ、やだ……!!
沖田は力が抜けたようにその場に座り込んだ。
近藤、土方、そして激闘の中にいた永倉、原田、井上がすぐさまかけよってきた。
「しっかりしろ!」
「平助え!」
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