25.THE LAST MATCH

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 土方は隊士らの方を向き、大声で言った。 「稽古はやめだ!これから、ここで試合を行う。よく見とけよ」  隊士たちが沸いた。  彼らにとって、琉菜と土方の試合を見るのはおよそ二年半ぶり。    あれから稽古を積んだ琉菜の腕前はどんなものかと、全員がわくわくした顔で壁際に座った。 「琉菜さん」  聞き慣れた声に、琉菜は振り返った。 顔色こそ最悪なものの、表情は明るい沖田が座っていて、琉菜に微笑みかけていた。 「がんばってくださいね」 「はい。絶対勝ちますから!」 「自信は、あるみてえだな」土方がにやりと笑いながら割って入ってきた。 「はい。今度はもう、負けません」  琉菜と土方は防具をつけて道場の中央に立った。 「では、はじめ!」  審判の永倉が言い、試合が開始された。  しかし、琉菜も土方も互いに相手の動きを読もうと、派手な動きはせずに、じりじりと歩くだけだった。
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