25.THE LAST MATCH

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 土方さんより、すばしっこさには自信がある。  でも、だからって闇雲につっこんで勝てる相手じゃない。    しばらくして、埒が明かないと思った琉菜は、素早く振りかぶって面を狙った。  土方はそれをさっと受け流し、琉菜の背後に回った。 「へえ、随分マシになったみてえだな」 「まだまだこれからですよ。手加減はしないでください。あたしも本気で行きますから」 「自分でそう言ったこと、後悔すんじゃねえぞ」  次は、土方の方から仕掛けてきた。  土方はすっと木刀を上段に構えた。  普通、相手が上段に構えたら、胴があく。  琉菜が胴を狙えば、土方は面を狙ってくるだろう。  だが、琉菜もご丁寧に開けられた胴につっこんでいくほどバカではない。  だから、土方の面を受け止めようと琉菜も面を狙った。  が、土方は面を打つかと思いきや、さっと構え直して胴を狙ってきた。  琉菜は危うく打たれそうになるところをさっと交わした。  土方さんの方がやっぱり一枚上手なのかな。  でも、あたしには、とっておきのフェイントがある。
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