25.THE LAST MATCH

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 大変なことだけど、まずはなんとか勝負を引っ張って、ここぞって時に、それを使うんだ。 「琉菜ちゃん、本当に腕あげたよなあ」沖田の隣に座っていた原田が感心した。 「ええ。土方さんと立派に、互角に戦えてますね」沖田も微笑んだ。 「副長と渡り合える女がいるなんて……」 「琉菜さんって、本当にすげえ」  そんなふうに、幹部も平隊士もみんなが舌を巻く中で、琉菜は次の手を考えていた。  琉菜はさっと、素早く土方の背後にまわった。  そうやってまわるが早いか、土方が振り返る一瞬の隙をついて、琉菜は振りかぶった。  だが、琉菜の読みは甘かった。  土方は、振り返る時でさえ隙は見せず、琉菜が振りかぶった時にはすでに土方も振りかぶっていた。  そして、二人同時に打った。  琉菜は面。  土方は胴。  ガンッと激しい音が二つ同時に鳴った。  どちらかの一本が入ったはずだと、その場にいた全員が、ごくりと息をのんで永倉を見つめた。
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