25.THE LAST MATCH

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「てめえ、いつの間に身につけた」土方の顔にほんのわずかだけ焦りの色が浮かんだ。 「ずっと前です」琉菜は短く答えた。  この構えこそ他でもない、三日前に沖田につけてもらった秘密の稽古の成果である。  天然理心流の構え・平晴眼。  琉菜は今まで流派にこだわったことなどなかった。  現代の高校の剣道部くらいでは、流派も何もない。  そして、そのままこの時代で稽古をしていたのだから、それも当然である。「ずっと前」そう答えたのはもちろんハッタリだった。  普段の実戦で足掛けやハッタリを使いまくっている土方に、この作戦を使うことに対しては、琉菜は何の罪悪感もなかった。 「じゃ、行きます」琉菜は静かに言った。  土方も構えた。  平晴眼に構えたら、そのあとは突きである。  土方も、それを見越し、間合いをあけて身構えた。  琉菜はダダダッと数歩入った。  土方は突きに備え、顔の前に木刀を構えた。  だが、琉菜は突くと見せかけ、予想通り構えた土方の隙をつき、胴を思いっきり打った。
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