25.THE LAST MATCH

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 土方もそれに気づき、急いで木刀の方向を変え、面を狙った。  ガンッという音が、再び道場に響いた。 「しょ、勝負あり!」  ややあって、永倉が叫んだ。  琉菜は最後、土方に予想外の動きをされたので、絶対に打たれたと思った。    土方も、自信がなさそうに永倉を見つめた。  沈黙が流れた。  全隊士分の心臓の音が、聞こえてくるようだった。  やがて、永倉はゆっくりと右手を上げた。 「胴あり一本!琉菜さんの勝ち!」  再び沈黙が流れた。  そして、一拍遅れた歓声が、道場中に響き渡った。  全員が立ち上がり、拍手喝采していた。 「すげえや琉菜さん!」 「副長に勝った!」  あたし、勝ったの……?    うそ、信じられない。だって相手は、新選組の鬼副長。
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