25.THE LAST MATCH

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 でも、負ける気がしなかった。  それで、あたし、勝ったんだ。  すごい!我ながら!すごい!  ついにやったんだよね!  琉菜は満足気な顔をしながら、ゆっくりと防具を取り、頭に巻いていた手ぬぐいもとった。 「くそっ!」  土方は荒々しく防具をとった。  その声で、歓声がやみ、あたりはしんとなった。  琉菜は悔しそうに唇をかむ土方を見て微笑むと、土方の前に正座した。 「土方さん、何度もあたしの勝負に付き合ってくれてありがとうございました」  そう言って、深々と頭を下げた。  何度も、は中富新次郎として戦ったものも含まれる。土方もそのことを察したのか、ふっと口角を上げた。  その時、今までのことが走馬灯のように思い出された。
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