25.THE LAST MATCH

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 初めて土方と戦ったこと。  沖田に稽古をつけてもらったこと。  二度目の敗北で、必ずもう一度戦うと約束したこと。  中富新次郎として、男扱いの稽古を受けたこと。  初めて真剣をふるって、人の命を奪ったこと。  三度目のタイムスリップで人は斬らないと土方に誓ったこと。  そして、今の勝負のこと。  琉菜は俯いたまま、肩をわなわなと震わせた。  感極まって涙が零れてくる。ぐいっと、稽古着の袖で拭った。  土方はきまりが悪そうに琉菜を見ると、珍しくこんなことを言った。 「まあ、よくがんばった。まさか本当に俺に勝てる日が来るなんて思わなかったぜ」  琉菜は顔を上げた。  目の前には土方の顔。  こんなに優しい顔をした土方を、琉菜は今まで見たことがなかった。  端正な顔立ちが、よりいっそう際立っている。 「だが」土方は表情を元に戻した。 「実戦なら、俺が勝つ」
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