麦酒は程々に

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俺は、乾杯してからずっと、
酒と見せかけ、ジンジャーエールばかりを口にしていた。

酒に弱い訳ではない。
単純に美味しくないのだ。

四月末に誕生日を迎えて以来、
何度も酒を飲むタイミングはあったのだが。

どこへ行っても、メニューはカタカナの羅列。
どんな味か、毎回店員に聞くのも癪。
当てずっぽうに、そのカタカナを頼んではみるものの、
毎度の如く口に合わず、痛い目を見てきたのだ。

だから、何度負けても、どれだけ飲もうとも、
俺が手に持つのはジンジャーエール。
勿論、酔っ払う訳が無い。