2人が本棚に入れています
本棚に追加
最終列車
スタジオに帰ると、ポールに言われた。
「ケイト、ツアーに来てくれてありがとう。今、カイルから連絡きたよ。」
ケイトは言った。
「そう、彼はベビーフェイスで人を安心させて、思ったことは実現する人ね。仕事できるな~。」
ポールは笑った。彼の美しいライトブルーの眼は嬉しいと言っていた。
………
ケイトが11時に帰ろうと支度をしていると、アランがガラスのボックス室にやってきた。
「帰るの?、、、、、ご飯でも食べてかない?」
「ありがとう。ごめん。今日から家で食べて勉強する。」
「勉強? そう、で、カイルは何だって?」
「アラン、まだポールから、カイルから、聞いてないの?」
「えっ、」
彼は携帯のテキストをチェックした。
「ぶっ飛び!なんだよ、ケイト、これって僕に一番初めに知らせるべきじゃない?」
アランは不満そうな顔をした。
「あら、そんな顔するなら、やめる。」
アランは嬉しそうに笑って、ケイトを抱きしめた。
「アラン、みんな見てるよ。」
「いいよ、今日は例外。ケイト、ありがとう。僕本当にうれしいよ。」
ケイトは、笑い出した。
アランも一緒に笑った。
みんながボックスの向こうで何が起こったのかと見つめていた。
アランがボックスから顔を出して、
「ケイトがツアー参加だ!」
オー、と言う声が上がった。
アランが言った。
「カイルが君を説得したんだね。ほんとにカイルは天才。」
「本当に。それでね、私は今日から勉強して頑張らなくてはいけないの。アラン、わかってね。」
「わかった。」
アランはケイトの顎を掴んで、優しくキスをした。
「僕には君が必要なんだ。」
ケイトはまた噴出して笑いが止まらなかった。
アランは呆れた顔をして、
「もう!、、、ケイト、笑ってないで早くしないと地下鉄なくなる。駅まで送るよ。」
アランは黙って小走りするケイトについてきたが、地下鉄の入り口で言った。
「ありがとう、ケイト。」
「アラン、愛してるわ。」
ケイトは軽くキスをして、地下鉄の階段を急ぎ足で駆け下りた。
ケイトは自分の気持ちが真実なのかどうか、よくわからなった。ただ、アランの言葉に反応しているだけのかしら?ま、いいか、難しいことは考えないことにしよう。アランは、キュートだ。
そして最終列車に飛び乗った。
最初のコメントを投稿しよう!