第5話 これがきっと最後の夏。

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「優愛、お待たせ」 「ありがとう、買ってくれて」 「りんご飴、美しいフォルム。後で描かなきゃ」 「ね、琥珀。さっき女子高生二人組が琥珀見てかっこいいって言ってたよ。やっぱり琥珀は美少年だね」 「別に興味無い」 「えー? 嬉しく無いの? 」 「俺、優愛にしか興味無いし」 「えっ……」 「ちょ、チョコバナナも買って来る……」 「あ、琥珀! 待って」 そんな事言うなんてずるいよ、琥珀。余計に離れがたくなるじゃない。 りんご飴とチョコバナナを食べると、今度は焼きとうもろこしと唐揚げを二人で食べてしまった。 「絶対に太ったな、私」 「優愛は太っても可愛いから大丈夫」 「やだよ! 太るのは。琥珀は本当細いから羨ましい」 「細いとひ弱に見えるから太りたい。筋肉欲しい」 「ムキムキな琥珀ってイメージ違うな」 「実は筋肉がすごい美大生になる」 「個性強いキャラね」 「次はゲームしよ? 優愛」 「うん! 射的やろっか」 時間が経つのがあっという間に感じてしまう。本当はすごくすごく寂しい。 「お兄さん、すごいね。全部当てるとは」 「琥珀やるじゃん。スナイパー琥珀」 「優愛に全部やる。お菓子とうさぎのマスコット」 「良いの!? ありがと、琥珀」 「次は型抜きやる! 優愛」 「お、乗り気だね。琥珀」 いつもより琥珀ははしゃいでいる。やっぱりこういう部分は若々しい。 「船難しい! あーん、失敗した」 「優愛、ぶきっちょさん」 「O型だからね、私。琥珀は綺麗にくり抜くね。さすが美大生」 「彫刻とか材木削るの好きだったから」 「美術も技術も5なんだろうな、琥珀は。私はずっと2だった」
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