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「優愛、お待たせ」
「ありがとう、買ってくれて」
「りんご飴、美しいフォルム。後で描かなきゃ」
「ね、琥珀。さっき女子高生二人組が琥珀見てかっこいいって言ってたよ。やっぱり琥珀は美少年だね」
「別に興味無い」
「えー? 嬉しく無いの? 」
「俺、優愛にしか興味無いし」
「えっ……」
「ちょ、チョコバナナも買って来る……」
「あ、琥珀! 待って」
そんな事言うなんてずるいよ、琥珀。余計に離れがたくなるじゃない。
りんご飴とチョコバナナを食べると、今度は焼きとうもろこしと唐揚げを二人で食べてしまった。
「絶対に太ったな、私」
「優愛は太っても可愛いから大丈夫」
「やだよ! 太るのは。琥珀は本当細いから羨ましい」
「細いとひ弱に見えるから太りたい。筋肉欲しい」
「ムキムキな琥珀ってイメージ違うな」
「実は筋肉がすごい美大生になる」
「個性強いキャラね」
「次はゲームしよ? 優愛」
「うん! 射的やろっか」
時間が経つのがあっという間に感じてしまう。本当はすごくすごく寂しい。
「お兄さん、すごいね。全部当てるとは」
「琥珀やるじゃん。スナイパー琥珀」
「優愛に全部やる。お菓子とうさぎのマスコット」
「良いの!? ありがと、琥珀」
「次は型抜きやる! 優愛」
「お、乗り気だね。琥珀」
いつもより琥珀ははしゃいでいる。やっぱりこういう部分は若々しい。
「船難しい! あーん、失敗した」
「優愛、ぶきっちょさん」
「O型だからね、私。琥珀は綺麗にくり抜くね。さすが美大生」
「彫刻とか材木削るの好きだったから」
「美術も技術も5なんだろうな、琥珀は。私はずっと2だった」
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