スタジオ

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アランとタクシーに乗ってケイトは物思いにふけっていた。 アランは携帯でポールに電話した。 「ポール?さっきはありがとう。君、今どこにいる?スタジオ?僕、今スタジオ向かってる。」 「なんだい、アラン、風邪はどうした?大丈夫か?」 「うん、良くなった。で、なんで今日休みなのにスタジオ来てるの?」 「うん、アランがこの前、ミキシングやり直しというからキースに来てもらってる。明日までに仕上げようと思って。」 「えっ、僕なしでやってるの?」 「そうだ。アランなしでも動くようにな。みんなも来てるよ。それで、なんでスタジオ来るの?」 「ああ、、秘書雇うことにしたんだ。」 「なんで、まあ、突然?」 「うん、いい子がいてね。それでポール、雇用契約書やNDA(秘密保持契約書)用意できる?」 「わかった。話は会ってから聞くが、君個人の秘書か?何分くらいで来る?」 「そう、僕の。20分くらいで行く。」 「じゃ、後で。」 ケイトが言った。 「ポールと仲いいんだね。信頼してるのね。」 「うん、イルミナのメンバーはみんな信用できる。だから君もよろしくね。」 車はスタジオに着いた。 スタジオの中はイルミナのメンバーと何人かが忙しそうに、働いていた。ハーブのいい匂いがした。 彼女はガラス張りでスタジオの中が見えるボックスのような部屋に通された。ポールが中でパソコンを前に待っていた。 ポールは、金髪で青い目の細身の長身を、ブラックのシャツとパンツに包んでいた。イルミナの超ホットなベーシスト。のはずだったが、今日は感じが違った。 「やあ、アラン、ご無事で生還なにより。昨日は携帯かけても通じなくて心配したよ。」 「ごめん、僕風邪ひいてたから。寝ていて。」 「それで、この子だね。僕、ポールよろしく。」 ケイトは自分が興奮しているのか、緊張しているのかよくわからなかった。 「ケイト・ヒギンズです。よろしくお願いいたします。」 「それで、アラン、個人の秘書にしたいって言ったけど、僕はイルミナの秘書という肩書がいいと思う。もし、ケイトが君と個人的な付き合いがある場合はなおさらだ。いいね?」 アランは首を振り、彼女を見た。 ケイトもうなずいた。
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