4人が本棚に入れています
本棚に追加
ずる休み
そこでアランに携帯電話が入った。
「やあ、ポール、おはよう。」
「アランか?大丈夫か?昨日ファンに追っかけられて大変なことになったんだってな?そして今アランは行方不明になっているんだが、、、今どこにいる?」
「うん、大変だった。今、友達のとこ。朝ごはん食べるとこ。」
「よかった、無事なんだな?テレビで報道中だぞ。帰りも気を付けてくれ。」
「わかった。タクシーで帰るよ。今夜、特に予定なかったと思うけど、ちょっと風邪ぎみだから、今日はバケーションにする。」
「わかった。お大事に。」
「ありがとう、ポール。」
ケイトがキッチンから言った。
「ポールなの?彼のベース、クールだよね。好きだな。」
「えっ、ケイト、君もイルミナのファン?」
「そうよ。アラン様、ようこそお越しいただきました。只今朝ごはんを作っております。
どうぞリラックスしてお過ごしくださいませ。」
そういうなり彼女は噴出して、アランも笑った。
ケイトは考えていた。
これがあの少年だとして、私は彼が好きになるのだろうか?でもあの少年は私を大切に扱ってくれた。恋人のように。
あるときその少年は言った。
「僕には姉がいてね。君と寝てると、姉を思い出す。」
「お姉さんとセックスしたかったということ?」
「や、そうじゃないよ。彼女が君のように優しいということさ。君といると彼女を思い出す。」
彼は、彼女を愛していると錯覚させる手前までの扱いをした。
「出来たわよ。」
「わっ、おいしそう。ありがとう。この皿エルメスだろ?ブルーも、なかなかいいね。僕は赤使ってる。」
食卓で、彼は嬉しそうに、大きく透き通った瞳でケイトを見つめていた。
ケイトの携帯が鳴った。彼女はキッチンまで行って、後ろを向いて応対した。
「はい、はい、ありがとう、、、、、、、それが、私インフルエンザになっちゃって、、、、そう1週間くらいお休みします、、、、、ええ、大丈夫です。ありがとう、バーイ。」
最初のコメントを投稿しよう!