ずる休み

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ずる休み

そこでアランに携帯電話が入った。 「やあ、ポール、おはよう。」 「アランか?大丈夫か?昨日ファンに追っかけられて大変なことになったんだってな?そして今アランは行方不明になっているんだが、、、今どこにいる?」 「うん、大変だった。今、友達のとこ。朝ごはん食べるとこ。」 「よかった、無事なんだな?テレビで報道中だぞ。帰りも気を付けてくれ。」 「わかった。タクシーで帰るよ。今夜、特に予定なかったと思うけど、ちょっと風邪ぎみだから、今日はバケーションにする。」 「わかった。お大事に。」 「ありがとう、ポール。」 ケイトがキッチンから言った。 「ポールなの?彼のベース、クールだよね。好きだな。」 「えっ、ケイト、君もイルミナのファン?」 「そうよ。アラン様、ようこそお越しいただきました。只今朝ごはんを作っております。 どうぞリラックスしてお過ごしくださいませ。」 そういうなり彼女は噴出して、アランも笑った。 ケイトは考えていた。 これがあの少年だとして、私は彼が好きになるのだろうか?でもあの少年は私を大切に扱ってくれた。恋人のように。 あるときその少年は言った。 「僕には姉がいてね。君と寝てると、姉を思い出す。」 「お姉さんとセックスしたかったということ?」 「や、そうじゃないよ。彼女が君のように優しいということさ。君といると彼女を思い出す。」 彼は、彼女を愛していると錯覚させる手前までの扱いをした。 「出来たわよ。」 「わっ、おいしそう。ありがとう。この皿エルメスだろ?ブルーも、なかなかいいね。僕は赤使ってる。」 食卓で、彼は嬉しそうに、大きく透き通った瞳でケイトを見つめていた。 ケイトの携帯が鳴った。彼女はキッチンまで行って、後ろを向いて応対した。 「はい、はい、ありがとう、、、、、、、それが、私インフルエンザになっちゃって、、、、そう1週間くらいお休みします、、、、、ええ、大丈夫です。ありがとう、バーイ。」
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