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その時、ポンポンと肩を叩かれた。
「彩葉ちゃん、何位ー?」
振り向くと隣のクラスの由佳ちゃんがいた。
普段あまり喋らないのに、急に話しかけられて妙な違和感を感じた。
「6位だよ」
「え、ほんと?見せて」
言われるがまま、6位の紙を渡した。
その瞬間、由佳ちゃんは自分の紙を私に渡した。
「え?これ、違うよ?」
「いいじゃん、交換しようよ」
見ると私の手には12位の紙・・・
「え、ちょっと・・・!困るよ!!」
「いいじゃん、少しくらい!じゃあねー」
「え?!待って!!」
うそ・・・
由佳ちゃんは6位の紙を持って行ってしまった。
順位の紙は、学校へ帰ったら裏に名前を書いて担任へ提出することになっていた。
あのまま由佳ちゃんが名前を書いて提出してしまったら、6位は由佳ちゃんで、私は12位になる・・・
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