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しゃくり上げて泣く私をメルは黙ってみていた。
ただただ側にいて、涙をペロペロと舐めてくれた。
「ふ・・・くすぐったいメル」
「くうーん・・・」
メルにぎゅっと抱きついて、また泣いた。
メルはずっと私の側から離れなかった。
その夜、お父さんに「何位だった?」と聞かれたから「12位!」と答えた。
夕方に散々泣いたからもう涙は出なかった。終わってしまったことは仕方がない。今更くよくよもできない。
真実を知ってるのは、メルだけだった。
でも、メルが知ってくれていたらもうそれでいいやと思えた。
そう思えたのは他の誰でもない、メルがいてくれたから。
「メル、一緒に寝よう!」
「バウ!!」
その夜はメルに抱きついて寝た。
いつだってメルは温かかった。
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